ソウルレポート② 変身するソウル

 今回の訪問ではソウルの変身振りが印象的でしたので、今日はそのことをレポートします。

【市庁舎前のロータリー】
 私はソウルでは市庁舎前のホテルを常宿にしています。ホテルの窓から見える市庁舎前のロータリー状の5車線の広い道路を車がビュンビュン走っていく様子は、いかにも近代化されたソウルを示しているようでわくわくする眺めです。

 これは朝早く撮ったので車は見えませんね。市庁舎は日本が植民地時代に建てて使っていたもので、灰色の重厚な造りです。それが近代的な高層建築に囲まれてどっしり建っています。歴史を感じさせる風景でもあるわけです。
 ところで、このロータリーには歩行者用の信号は皆無でした。道路を渡るのはすべて地下道です。地下は一大ショッピング街になっていて、入ったら最後方向もよくわかりません。地上に出てみると目的地とは反対側だったり。私も何度も迷いました。つまり歩行者にとってはとても不便な一帯だったのです。
 それが、今は様変わりです。道路には歩行者用の横断歩道が造られ、スピードを誇っていた車は信号でストップです。歩行者はその前をゆっくり歩けます。車中心のロータリーから歩行者も共存できるロータリーに変身したのです。

【清渓川(チョンゲチョン)】
 東京と同じように、ソウルの中心部には、2階建ての高速道路が走っていました。ソウルも走る車が多く、東京以上の渋滞も屡々ですから、高速道路は不可欠です。高速道路の一部は清渓川という川を埋めて造りました。

  

 写真がその川ですが、現在復活のための工事が行われているのです。気がつくと、ソウルの中心部から高速道路は消えて遠くの山が見えるようになっていました。当然そのことで被害を受ける人々も多く、5月に訪問した時は、市庁舎前でデモが行われていました。「生活の場を返せ」というようなプラカードを立てて、2,30人の中年男女が大声でアッピールしていました。
 しかし、今回はそうしたデモは一切なく、多くの人はこの復活を歓迎しているようです。一般市民にとっても、私たちのような訪問者にとっても、明るく歩きやすい街は心地よいものです。
 今年の10月1日にはこの川に水が流れるそうです。

 友人のスエンさんによると、いろいろな面で暮らしやすくなっているとのことです。経済中心から暮らし優先へ、ソウルは大きく方向転換をしたようです。ここにも Korean Power を感じさせられました。