そして、内部崩壊へ

 わが小泉首相など足元にも及ばぬほどのやりたい放題ですが、それまでの退廃と沈滞の国を小国ながら強い国にしたいとの朴正熙の強い思いが、軍人に有り勝ちな硬直化した政治文化の中で暴走したとみてよさそうです。
 2年後の1974年8月には大統領の命を狙った狙撃事件が起こります。この時は、弾がそれて陸英修(ユクヨンス)夫人が死亡します。陸夫人は、青瓦台(韓国の大統領府)の野党と言われるほど、大統領に国民の立場からの苦言を呈することのできる唯一の存在であったそうで、夫人亡き後、大統領の思考力は益々偏向し、言論弾圧学生運動弾圧、デモの弾圧などが激しくなります。
 しかし、最後は反対勢力ではなく、信頼する味方に殺されることになるのです。朴政権は内部から崩壊します。軍人政治の限界かも知れません。