ソウルレポート③ 8月15日:光復60年 新しい始まり

 8月15日、光復節のソウルについて報告します。
 午前中はTV情報、午後は光化門前広場を見学しました。
■午前

  • 7時のニュース 

朝から解放60年記念特集の番組が放送されました。7時のニュースでソウルのあちこちで行われる記念行事が案内されました。光化門前では、大統領以下政府要人が出席して大祝典が行われること、市庁前と南大門前の広場では記念音楽会が開かれる。そのために交通規制があるということです。
 正午には普信閣というところにある鐘を撞くそうです。この鐘は昔、都が城壁で囲まれ、四つの大門と小門から出入りしていたころに、開門と閉門の時刻を知らせる鐘だったのですが、現在は新年を迎える時と特別の行事の時に撞かれます。
 ところでこの鐘は1919年に行われた日本からの独立運動の際、独立宣言書に署名した革命家の数にちなんで必ず33回撞かれます。

  • 「画像対面」(9時〜)

 続いてTVでは、南北の離散家族が相互にテレビを使って逢うという「画像対面」の様子が中継されました。釜山、ソウル、テジョンの3箇所に「対面場所」が設けられて、家族がそこに集まっています。北側の家族がテレビに映ると、互いに涙まじりで声をかけあったり、立ち上がって手を振ったりしています。多くが80歳以上の高齢で、車いすの老母もいます。

  • 光化門前の大祝典(10時〜)

 間もなく、各地からの現地中継が始まりました。ドクト(竹島)、マラド、あと2,3箇所まわって、光化門前の様子を紹介しています。広場にもう多勢あつまっていて、民族舞踊などが行われています。時々コメンテーターが出てきてしゃべっています。光化門前の大通りが大祝典の会場になっています。
 10時からここで式典が始まり、その様子が中継されました。大統領が30分ほど熱のこもった演説をしましたが、残念ながらほとんど聴き取れません。時々拍手が沸きあがっているところを見ると感動的な発言がされたのでしょう。sahi newsによると日本への言及はなかったということです。
 大統領の表情はとても真剣でした。

  • 「60年記念、感動の瞬間60選」(11時〜)

 続いては1時間半のドキュメント番組です。日本からの解放に始まって、オリンピック、ワールドカップなど、日本関係では、新大久保駅で日本人を助けようとして亡くなった李青年の紹介がありました。教科書問題やドクト問題は出ませんでした。感動の瞬間ではありませんからね。
午後
 12時過ぎにスエンさんと一緒に食事に外出し、その足で景福宮から光化門前まで行ってみました。式典に使われた舞台や招待者用の大量の椅子などの片付けの最中でした。そらには大きな風船、式典の横断幕や太極旗などが夏の空の下ではためいていました。真昼の太陽に照り付けられて汗だくで歩きました。
 
 世宗会館前の広場では、記念コンサートが行われ、近くの路上で大きな半島地図に色とりどりの手形を押して名前を書くというイベントをやっていました。60年記念のテーマである「民族統一」への願いを示すイベントです。統一を祈って、二人共手に塗料を塗ってもらって半島地図に押し付けてきました。署名もしました。
 
 上の写真は、テントの中の歴史を紹介した展示です。これは明成皇后(閔妃)ですが、歴史に残る人々がたくさん紹介されていました。
 「新しい始まり−統合の歴史が開く」という標語があり今回の記念行事は南北統一が中心テーマになっていたと思われます。この問題解決の切実さと比べれば、韓国にとって日本とごたごたしている暇はない、ということではないかと思いました。韓国の抱える困難を改めて認識させられた思いでした。