植民地時代−日韓の近代No.20

■ついでに紹介−女学校に通った韓国人女性の場合■


 私の友人の小学校での体験に関連して、同じ頃女学校に通ったという女性の体験を雑誌で見つけましたので紹介しておきます。京畿高等普通女学校に通った時の体験です。


「私の通った学校は官立学校(日本の総督府令によって設立された)なので、教師はほとんど日本人だった。そんな中で地理の先生は、日本の田舎の出身で方言のきつい人だった。この先生はいつも、朝鮮人学生が100点をとっても、50点の日本人学生より劣っていると強弁した。自尊心を傷つけられた朝鮮人学生は授業をボイコットした。その先生の時間になると、机と椅子を教室の入り口に積み上げ、入ってこれないようにしてしまったのだ。粘り強い闘いの末に、その先生はよそへ転勤になった。

 もう一つ。私が通った学校では4年生になると日本に修学旅行に行った。汽車が長いトンネルに入ると、当時はまだ汽車の中に電燈がなかったので真っ暗になる。その時、学生たちは別に申し合わせもなかったが、引率の日本人教師をよってたかってこづきまわした。個人に対する憎しみではなく、民族的な憤りからの行動だったと思う。」


 高等学校の学生ともなると、日本人の差別行動に敏感に反発を感じて抵抗していたようです。日本人が朝鮮人や中国人より優秀な民族だとする差別感が多くの問題を生んだし、現在にも尾を引いていると思われるのですが、この感情はどのようにして育ったものでしょうか。追求してみたいと思っています。

 しかし、この、根強く日本人を支配してきた差別感情が今“韓流”によって洗い流されようとしているかに見えます。そうであればいいが、と思うのです。