映画「ブラザーフッド」をめぐって

 先日、Toppokkiさんが「ブラザーフッド」のことをメールに書いてくださいました。 
  「『ブラザーフッド』という映画で、朝鮮戦争の悲惨さを知りました。戦後、38度線で分かれてしまった北朝鮮と韓国ですが、日本が占領していなかったらどうなっていたんだろう、ということも考えました。特に『ブラザーフッド』(『大極旗ひなりみょ』)は かなり史実に基づいて描かれていると聞き、プログラムも買って勉強してしまいました。日本の教科書では2,3行でしか書かれていないことです。」

 日本人としては気になる問題です。ソ連アメリカが領地の奪い合いをして、朝鮮半島が南北に分断されました。このことは、日本の身代わりになってくれているとも考えられます。少なくとも多くの韓国、北朝鮮の人々はそう考えているでしょう。
 分断された結果、米ソ両陣営の緊張が高まって起きたのが朝鮮戦争です。そのことで今なお苦しんでいる朝鮮半島の人々。一方朝鮮特需で経済復興を果たし、今豊かなくらしを謳歌している日本。この余りにも大きな不公平に気がつかねばいけないでしょね。
 日本の今の豊かさは、単に日本人の優秀さとか勤勉さだけによって成し得たことではないということ。それもないとはいいませんが、朝鮮半島を犠牲にした幸運に助けられたことも否めません。
 私はたまたま、南北分断を主題とした映画『シュリ』も『JSA』も韓国の友人と一緒に見たのですが、そのとき、彼女は涙を流しながら画面を見つめていました。彼女のおばあさんは北の出身でしたが、故郷を見ることもできないまま今年亡くなりました。
 ソウルにいる友人は、たった一人のお姉さんの写真をいつも持ち歩いています。そのお姉さんは、太平洋戦争末期に日本軍が行った強制連行を恐れて、ご両親の計らいで北にお嫁に行ったまま音信不通だということです。
 半島の人々の多くはこうした悲しい思いをもっているのです。私たちはこうした思いの背後にある事実を、もっとしっかり学ばなければいけないのではないかと思っています。