韓国での漢字表記について

 10月20日の日記に対するひさごんさんのコメントについて考えてみました。
 韓国では、一般にハングルと合わせて漢字も使います。20日の日記でも書きましたが、かつては漢字だけを使っていたので、ハングルが出来てからも併用されているのです。
 ちょうど日本で、漢字とひらがなを混ぜてつかうようなものです。しかし、日本に比べると漢字表記はずっと少ないです。ちょっと手元にある韓国の新聞を見て見ましょう。
 漢字表記は、中(中国のこと)、北(北朝鮮のこと)、美(アメリカのこと)、史、薬などに使われています。
 人の名前については、例えば金大中が大統領であれば、金デトンリョンというように書かれるでしょう。もちろん、デトンリョンはハングルで。金大中をハングルでキムデジュンと書くこともあるし、漢字で書くこともあります。
 日本ではそれを、金大中と漢字で書き、キンダイチュウ、と日本読みにしているのです。
 一般人の場合、日常的にはハングルを使っているようですね。例えばぺヨンジュンチェジウなどというように。漢字を使う場合でも、読み方はもちろんハングル読みです。私の知る限りでは、家の表札は漢字で表記している家がほとんどです。しかし、読み方はハングル読みです。
 かつて、日本で人名を日本読みにされることに対して提訴した在日朝鮮人がいました。逆に、草薙剛は韓国読みでは、チョナンガン、です。日本読みとは全く違いますね。ですから、朝鮮の人が自分の名前を朝鮮読みにしてくれ、と訴えたくなる気持ちも理解できます。
 日・韓、それに北朝鮮の間には、漢字という中国文化を共有していることから来るややこしさがあります。私たちは漢字=日本語と錯覚して、ソウルで漢字を見かけると「あっ、日本語だ」などと思ってしまいますが、漢字は中国語、朝鮮語の表記でもあるのです。というより、日本は彼らから漢字を学んだのだということを自覚しないといけないでしょう。
 ひさごんさんへの答えとはズレたかも知れないのですが、漢字をめぐるややこしさ、特に名前の読みについて気になっていることを書きました。