再び、閔妃暗殺について

 10月3日の近現代史連続講座(講師:善方一夫氏)では、日清戦争の勝利に酔い、やがて日露戦争へと突き進む日本外交の姿がよくわかりました。(これが今の日本の状況とよく似ているので恐くなりました。)閔妃暗殺事件についてもビデオを交えて説明があり、背筋の凍る思いを新たにしました。本当に酷いことをしたものです。
 講義については、ひさごんさんが下記に詳しく紹介なさっていますのでご覧ください。
      http://club-urawa.main.jp/sub/yoshikata/1003-1.html

ところで、この惨劇の舞台となった景福宮は、ソウルの重要な観光スポットになっていますのでいらした方も多いと思います。北漢山を背景にした広々とした大地に朝鮮様式の建築が点々と配された美しい王宮です。とくに正門である光化門は、民芸運動家として有名な柳宗悦(むねよし)が
 『光化門よ、光化門よ、(略)門の前に佇んで仰ぎ見るとき、誰もその威力ある美を否み得るものはないのだ。(略)おお、光化門よ、光化門よ、雄大なるかな汝の姿。』と讃えたことで有名ですが、その雄姿は今も見るものすべての心を打ちますね。

 閔妃は、この壮麗な王宮の一番奥まったところで惨殺されました。惨殺の模様を描いた板絵とその説明がハングル、中国語、英語そして日本語で書かれています。殺したあと残酷にも「死体を焼いた」とはっきり書いてあります。今回の講義によると、日本の公式文書には「裸にして局部を検査した」とあるそうですが、そこまでは書いてないのがせめてもの救いです。

 しかし、ソウルを訪れる何十万、何百万の日本人のうち、この碑を見た人は極くわずかでしょう。ツアーの場合は、時間がないからと、この奥までは案内しません。私が参加した時も、ぜひ見たいので別行動をとりたい、と頼んでみましたがダメでした。その後個人的には何回か訪れて、その都度謝罪しております。
 みなさまもソウルにいらした時には、ぜひ景福宮の一隅を訪れて、閔妃とすべての韓国国民の無念な思いに心を馳せていただきたいと思います。

 Toppokkiさんは、戦争記念館にいらしたことがおありなのですね。私はまだ記念館には行けないでいます。
 角田房子さんの『閔妃暗殺』については、この本の購読をすすめるボランティアをやっています。なので、ご住所を教えていただければ無料でお送りします。(ozawah@nifty.com)