韓国語の日

 sue1217さん、「韓国語ミニ講座」ありがとうございます。「コグマ」は私も大好きです。美味しかった?これからも時々韓国語講座をお願いします。
 ところで、みなさまは、韓国には「ハングルの日」(ハングンナル)という祝日があることをご存知でしょうか?10月9日で、休日になるようですね。
 この地球のどこかで「母国語の日」を作って祝っている国は他にあるでしょうか。
 少なくとも「ハングルの日」を決めて毎年祝っているということは、韓国の人々がハングルに対して並々ならぬ誇りと愛着を持っていることの表れといえるのではないか、と思っています。
 ハングル文字をご覧になったことはありますか?□、ト、I、○などが組み合わさった文字です。ワールドカップサッカーの共同開催をきっかけにして、駅などにも英語や中国語と並んでハングル文字が書かれるようになりましたから、きっと見かけたことはおありでしょう。その頃、友人の韓国人が「上野駅にもハングルがあった」とうれしそうに報告してくれたことがあります。今では私の利用する浦和駅にも西口、東口を示すハングル文字があります。
 このハングル文字は、世界でも珍しいことですが、全く人工的に創造された文字で、言語学的にも非常に興味深いものと言われています。
 朝鮮半島の歴史は5,000年といわれ、話し言葉は既に存在していた筈ですが、書き言葉は漢文しかなかったそうで、大衆の多くは読み書きができなかったようです。この辺り、日本の状況と似ています。漢籍の心得があるのは、極く一部の上流知識人に限られていたと思われます。
 今から500年ぐらい前に李王朝の世宗(セジョン)という王様が、誰もが自分の思いを書いたり、書かれたものを読んだりできるようなやさしい文字を、ということで学者たちに創らせたといわれています。
 読み方や書き方を単純にするために、舌とか、のど、歯、唇などの動きを示した記号を組み合わせて文字にした表音文字で、世界のあらゆる言語を表記することができるものだそうです。
 例えば日本文字では、英語の good morning のdの音、hot cake のtの音などは表せませんよね。止むを得ず グッド とか ホット と書きますが、これは英語の音とは全く異なった音です。ハングルを使えば英語に非常に近い表記ができるのです。韓国人が英語を流暢にしゃべれるのはハングル文字のお陰も大きいと思います。
 ハングルの成り立ちを垣間見ただけでも、韓国の人々がハングルに寄せる思いを計り知ることができる、と私は思っています。
 こんなに大事にしている言葉や文字を、植民地時代の36年間、日本は一切その使用を禁止して日本語を使わせたのです。小学校にも軍人を派遣して、子供たちが一言でも韓国語をしゃべると厳しく罰したといいます。学校参観に来た親とも日本語でしゃべろ、と強要したそうです。
 余りにも酷い、とは思いませんか?
 美味しい「コグマ」からこんな辛い昔話になってしまってごめんなさい。でも日本人としては決して忘れてはいけない、と思っています。